ラ・ポワリエール／シャトー・シャロン・グラン・クリュ La Poirière／Château-Chalon Grand Cru

近年大いに注目を集めるブドウ品種、「サヴァニャン」から造られるヴァン・ジョーヌとは、フランス語で黄色ワインの意味で、スイスとの国境に隣接するブルゴーニュ＝フランシュ＝コンテ地域圏のジュラ県特産ワインである。この黄色ワインの最高峰とされるのがジュラ県のコミューン、シャトー・シャロンのテロワールが生み出すヴァン・ジョーヌである。

ベルテ・ボンデは、名うての理論派生産者として、高い評価を受けているシャトー・シャロンの造り手。モンペリエで農学修士を取得したジャンとシャンタルのベルテ・ボンデ夫妻は、シャトー・シャロンに移り住み、1984年に当地の修道院が属していた貴族、フランコントワーズ家の2つの紋章が玄関扉上にシンボリックに配置され、アーチ型の地下室も備えた16世紀建設のメゾンを購入。同時に3haのブドウ畑も手に入れた。1985年に初の収穫。現在はシャトー・シャロンにスー・ロッシュ、ガイヤルドン・エ・レヴュー、ボーモンの3つのリュー・ディで4.5ha、コート・デュ・ジュラに10.5ha、計15haのブドウ畑を所有している。ブドウの樹の大部分は1980年代に植えられたもので、その他は1990年代と2000年代に植樹されたものである。

シャトー・シャロンの畑の傾斜はきつく、機械化が困難なため、ブドウ栽培には多くの労力が必要だが、これを全て繊細かつ丹念な手作業でこなしている。またビオロジック栽培を実践しており、醸造においてもより自然な手法を採り、天然酵母で発酵させている。2013年より全てのワインが有機認証を取得した。

翻訳家としてブリュッセルで働いていた娘のエレーヌがワイン造りを志し、ブドウ栽培醸造学校でブドウ栽培の研究を再開。2015年に卒業証書を取得。同時に長年にわたって、父ジャンから栽培、醸造のノウハウを受け継ぎ2018年にドメーヌの新しい当主となった。シャトー・シャロンのみならず生産するワインに共通するのは過剰な抽出感のないエレガントな仕上がり。長期熟成が可能なフィネスのあるものばかりで、ドメーヌの評価をゆるぎないものにしている。

★チーズ★「季節限定モン・ドール」「長期熟成コンテ」にはジュラの辛口白を。

規定により毎年8月15日～翌年3月15日に製造期間が限られている、秋冬定番のウォッシュタイプのチーズ、モン・ドールの日本への初回入荷が始っている。とろーりとした濃厚なミルク感に加えナッツようなコクとウッディなフレーバーが特徴のモン・ドールとジュラのシャルドネは非常に好相性。ワインの凛としたシャープな酸味とフレッシュな果実味、ミネラリーな余韻がモン・ドールのウッディなフレーバーと完璧にマッチする。

またジュラで生まれたコンテ・チーズと極上のシャトー・シャロンのペアリングは伝統的な組み合わせであり、フランス国内外で長きに亘り広く愛されている。特に濃厚で複雑な風味のある熟成コンテは、シャトー・シャロンの独特なナッツやドライフルーツの風味と完璧に調和し、一口ごとに異なる味わいが広がる。またチーズの塩味とワインの風味が一体となって、口中に豊かな余韻を残してくれる。